しゃむしゃむのリベルテ通信

NPO法人リベルテの日々をしゃむしゃむと呼ばれている代表がつづります。

オナラ

オナラ。もし突然、部屋からオナラが聴こえてきたら・・・香ってきたら・・・あなたはどう思うでしょうか?

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ある日のアトリエ、どこともなくオナラが聴こえてきた。それを誰かが嫌がったり注意する訳でもなく、他の誰かがオナラを被せて「鳴らして」きた。また別の誰かが「今日は(オナラをする)メンバーが(1人)欠けているね」と言った。スタッフがたまたま連れてきていた赤ちゃんを指して「この子も(オナラ)得意だから入れるね」と言ったら、イタリア語講座に通っているメンバーが「それだと、オナラ・トリオじゃなくてカルテット(四重奏)になるね」と笑っていた。

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オナラ・トリオが誕生した日。あるメンバーが施設長であるぼくに、(その前の週に突然、やり切れなくなって飛び出して出ていってしまったから)迷惑をかけたと思い込んでふさぎ込んでいた。そのときに、誰かがオナラをしてしまった。だれかわからない。いや音が聴こえたのが幸いしたのかもしれない。音がなくニオイだけ漂う日もある。しかし、そのとき確かに聴こえたのだろう。不意に聴こえてきた誰かのオナラを聴き、(報告してくれたスタッフ曰く)そのメンバーの顔がパーッと明るくなり、そのメンバーもお返しに?オナラの音をマネ出してみたところ、結果、その部屋がオナラ合戦となってしまった。ちょっと、待った。トリオということは、オナラをした人とふさぎ込んでいた人の他にもうひとり、いつの間にか参加している!

施設でオナラする。そんなことで、ひどく周りに注意されることがある。しかも利用者同士で。いや、もしかしたら支援者が注意する姿を見ていたからかもしれないし、そうやって注意されてきたからかもしれない。オナラぐらいで、そんなバカなと思うけれど、気持ちもわかる。臭いもん。けれど、トラウマになるほど注意をされるようなことではないはず。だって誰もがするもん。ぼくもする。ぼくのは檜のいい匂いの香りだけど(真顔)

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そういう些細な行き違い、そういうことで、強く言われてしまう人もいる。例えば、その行為を繰り返ししてしまう人(それはある行動に対して経験されたことを、再度、確認・再現する意味で繰り返すようになる「強化子」という側面もあったりする*1かも)や「いつもワザとやっていそう」という先入観から「注意」を受けたりすることもあるかも。少なくとも、あるメンバーは通所当時とてもそのことを引きずっていた。オナラ・トリオからオナラ・カルテットへ。昔の嫌な記憶は残っているかもしれないが、メンバー同士が笑い合い、時にたわいもないことでお互いを励ましているような関係や時間が流れる場所を作る。
この話は現場のスタッフ2名が別の機会にそれぞれ報告してくれた話。こうした話が現場では沢山ある。生産性のない会話なのに、作品だってその会話からは生まれていないのにもかかわらず(!)、そこはメンバーもスタッフもみんなが「アトリエ」と認識していて、みんながそれぞれ「アート」をしているはずで、しかし勝手に誰かが誰かを「オナラ」で癒やしている。

・・・なんだここは!

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*1:そんな風に「カテゴライズするな」「ラベリングするな」という人もいるかもしれない、けれど、そういうことは自然とぼくだってやっている。いけない・怒られるとわかっていて妻の前ではオナラを繰り返してしまう。ついつい怒った顔を見たくなるとき、本当は怒らないんじゃないかって、試したくなる。檜の香りだし。