しゃむしゃむのリベルテ通信

NPO法人リベルテの日々をしゃむしゃむと呼ばれている代表がつづります。

日報20180223(人材育成部会の研修後の感想)

昨年度・今年度と自立支援協議会*1の「人材育成部会」の部会員として参加しました。
2年任期で基幹センターの障害者総合支援センターのスタッフの方から声をかけてもらい、何を貢献できるかわかりませんでしたが、参加して隔月2時間の部会で、人材育成について考える機会をいただきました。

昨年は「しゃべり場」という企画を部会で考えて、障害福祉サービス事業に携わり1〜3年の「新任職員」から、人材育成についてのリサーチも兼ねて「日頃の思いや考え、悩み」を聴く会を企画しました。
今年度は、そこから発展し通年を通した企画にしようと「しゃべり場」で目標を立て、半年後に振り返る「しゃべり場」を開くことになりました。
実際今年度は、5名の上小地域*2にある事業所の職員が通年を通した目標を立て発表しました。
リベルテも2年度ともにスタッフが参加し、今年は発表も行いました。
今年は「ONとOFFをつける」「考えを発信し行動する」「情報を共有する」「最近の様子を日頃積極的にコミュニケーションする」「情報共有・報告・連絡・相談の徹底、利用されている方との関係づくり」というテーマで目標設定と発表がありました。
部会運営者として興味深かったのは、5つの目標のうち4つが「情報」を扱うテーマだったことでした。
現場スタッフにとって大きな関心というか、課題として、その裏返しとして不安や疑問に思うことは、フォーマルでもインフォーマルでも「情報」なのだなぁということでした。
これは実は意外なことで、自分の1〜3年目を振り返ると、個人的に悩んでいたのは利用されている人たちとの関わりやそこで何をするかってことが締めていました。

なので、情報共有ってことが、新任職員(他現場の経験者も多かったとは言え)がそれを課題という感じるっていうのは、それだけコミュニケーションの中で共有すべき情報やルーティングが多かったり大事だというのが、今の福祉現場ということなのかもしれません。
つまり情報というよりむしろ、何をどうコミュニケーションするかということが、1つ組織にとって個別のケアやプログラムを考えることと同じぐらい重要になってきているのだと感じました。

その中で「ONとOFFをつける」という話題は、今年度第二回しゃべり場での発表後のグループワークでも話題にあがり盛り上がったテーマでもありました。
仕事を切り替えられるか?切り替えるとしたら、どう切り替えるか?そもそも仕事と個人を分けて利用する人に関われるか?利用する人に対する方が素直に自分をさらけだせる。オンとオフがないことは悪いことではないが、無理をしてしまえば自分がキツくなる。休みの日や休憩時間にも仕事の連絡がないなかでメリハリのない日々になってしまう。など。
これも「仕事」をどう捉えるかの話でとても興味深いテーマでした。

この会が終わった後、帰り道にこのテーマについて思ったことは「利用する人にとってオン・オフない支援者ってどうなんだろう」「利用する人はオン・オフあるんだろうか?」ということでした。
そもそも、障害がある人も支援者も同じ地域にともに生きている人であるので、福祉の「仕事」というのは特殊なものだと思います。
例えば、街でスタジオライトのメンバーに会うこともありますが、ぼくは実はあまりオン・オフがない。
と言うより、人に会うことに対してオン・オフがあるので(笑)
支援者だからと言って特殊な関係性が出来上がる訳ではないと思うし、もちろん親密な情報やリベルテ内の関係もあるけど、その「特殊性」であることが、例えば支援者と被支援者の関係を分断してしまうんだろうか?
支援者と被支援者が「違う」のって、結局、「支援者」というものに対する幻想が大きい故なんじゃないかとも思います。
支援者という言い方に拒否感や「なんか違う感」を抱くのは、支援と被支援という相対する関係を感じてしまうからだと思うけど、対社会に利用する障害のある人と同じ方向を向いたり、違う対社会の向きい方の媒介となることが支援だと個人的には思います。
もちろん、支援と被支援が単なる非対称な力関係の話になってしまうのであれば違和感があるけど、福祉の「仕事の特殊性」が段々と解体、なくなっていき、地域の中で障害という摩擦から新しい関係が生まれていくことってあればいいな。
被支援者と支援者の関係が時と場合によって入れ替わるようになればいいなと思う。
だからそのとき、福祉の仕事のオン・オフって曖昧になっていくし、曖昧になる反面、そこでの福祉の仕事観自体が変わっていくことで新しい福祉観が立ち上がっていくようになる気がします。
利用する人にもオン・オフがないのはツラいかもしれないし、支援者も自分が頑張るところ引ける場面をチームの中で共有できてたり、ゆるくいれたり、違う自分で入れる場所、その幅というかグラデーションが多用であればあるほど、それって生きやすい地域なのかも。
1〜3年目の人の話を聴きながら、色んなことを思える研修でした。